みなさまごきげんよう。
結論として、正しく過去問を勉強することで確実に“合格ライン”には到達できます。
社労士試験に関するスペック
- 社労士試験に2年間で合計約1,500時間を費やした
- 合計勉強時間の半分は過去問に費やした
- 約5年の社労士受験講座の講師経験がある
前提として、過去問の勉強において目指すべきは、
10年分の過去問の「〇」と「×」と「その理由」が明確になることです。
逆に次の場合は過去問を勉強しても確実に伸び悩みます。
- 単に問題と答えを覚えるだけ
- 回数を繰り返さない
- 勉強方法を大きく間違えている
結論としては、合格する為の正しい取り組み方があるということですね。
社労士試験で過去問対策が重要な3つの理由
理由①:社労士試験の出題傾向がわかる
過去問を解くことのメリットは出題傾向が分かることです。
社労士試験は出題範囲が広く、それなのに忙しい大人が受験する試験です。だからこそ、効率よく学習する必要があります。
社労士試験の過去問題集はクオリティーが高く、非常によくできています。
過去問題集のよいところ
- 同じテーマの問題がまとまっている
- 一問一答形式で解説も分かりやすい
- 出題された年以降の法改正も反映されている
教材として優秀だからこそ、出題傾向をつかむには最適です。
出題傾向をつかむことで、テキストも理解しやすくなることです。
テキストって初めて読むと、文字ばかりで取っ付きにくい側面がありますよね。
でも、一度過去問で出題傾向をつかんでおくことで、
「お、ここは過去問でも出題されていたな!」
こんな姿勢で学ぶことができます。こうなると理解も早いし定着もしやすいですね。
理由②:最大のインプットになる
一般的に問題を解くことは、アウトプットといわれます。
勉強方法の王道してよく言われるのは、
1、まずはテキストでインプット
2、その次に過去問などの問題集でアウトプット
という順番で勉強するということですよね。
でも筆者の場合は、テキストを読むより先に過去問を一通り解いていました。なぜなら、試験の出題形式をつかんだ上での学習はとても効率が良く、理解の定着が早いからです。
また問題文に慣れてくると、社労士試験に出題される
- 独特な言い回し
- 条文の言葉の使い方
などを大まかにでも理解することにも役立ちます。
更に筆者の場合は直前期も過去問題集を使って学習していました。
過去問は反復することで、
ポイント
- 初学時のインプットによし
- 思い出すための復習によし
- 直前期の知識の整理によし
このように一番の根幹になる学習方法です。
理由③:使いまわし再出題される確率が高い
勉強したことが最も試験の成果として現れやすいのも“過去問”です。
なぜなら、社労士試験において過去問の再出題率は高いからです。
過去問の再出題は、
- 全く同じ内容の問題として
- 少し言い回しを変えた問題として
- 正誤が逆になっている問題として
それぞれ出題されます。
択一式試験においては、
ポイント
- ひと昔前は“5割”は過去問と言われていましたが、
- 最近では“3割程度”になっている印象です。
それでもどの予想問題よりも出題確率が高いのは確実に”過去問”です。
社労士試験の過去問の勉強方法(体験談あり)
私は初学者の時も、合格した2年目の時も過去問に関しては全く同じ勉強方法でした。
ここからは、受験講座の講師をしていた時も多く受講生に紹介していた内容を紹介します。
勉強方法①:ポイント部分にマーカー線を引く
私の場合は、過去問題集に直接、書き込みをしていました。
択一式の過去問題集の形式としては、
- 左ページ=実際の過去問
- 右ページ=正誤とその解説
となっているものがほとんどです。
問題、解説共にポイントとなる部分にはマーカーなどで線を引いていました。
【👇実際に筆者が勉強していた過去問①】
上のパートでも紹介しましたが、過去問を勉強する目的は次の3つです。
ポイント
- 試験の問題傾向を理解するため
- インプットして、知識を定着させるため
- 再出題率の高い過去問で本試験対策をするため
逆にアウトプットのみを目的に過去問を利用する訳ではないということです。
ポイント部分に線を引く目的は、基礎・基本の学習に最適化するため、そして論点を分かり易くするためです。
勉強方法②:テキスト並みに深く理解する
一般的な解釈と違って、過去問の目的が
〇インプット
✕アウトプット
上記であるなら、単に「問題と答え」を覚えるだけの勉強ではない深い学習が必要なことを意味します。
繰り返しですが、過去問の勉強において目指すべきは、
10年分の過去問の「〇」と「×」と「その理由」が明確になることです。
私の場合は、過去問題集の実際の過去問やその解説で特に難解な場合には”図解”も記載するようにしていました。
【👇実際に筆者が勉強していた過去問②】
但し、この「テキスト並みに深く理解する」については、注意すべきこともあります。
最も注意するべきことは、
NG(ダメ)
一つのわからない問題に出会って”立ち止まってしまうこと”です。
過去問を勉強する時は次の順番を遵守しましょう。
1、まずは一通り解いてみて、わからない問題を把握する
2、そして、わからない問題や苦手な問題を重点的に取り組む
どんな時もまずは全体像を把握することを優先にします。なぜなら、社労士試験は範囲が広いので、一部分だけで止まっている時間はないからです。
勉強方法③:繰り返し解く
繰り返し過去問を解く意味は「わかる」を「できる」にすることです。
過去問学習はまず準備として、
1、過去問のポイント箇所に線を引く
2、特に理解しにくい部分には図解を書き込む
3、できる問題とできない問題を把握する
そして、これらを行った後にすべきことは、“繰り返し過去問を解くこと”に限ります。
勉強している人なら共感してもらえるかも知れませんが、
❶教えてもらってその時に「わかった」
ことと、
❷一人で問題を解く時に「できる・解ける」
この2つには実は大きな隔たりがあります。
受験勉強において成長する過程で必要なことは2つあります。
1、何回も反復練習すること
2、その成長に必要な時間をかけること
深い知識を得るためにも、それを長期記憶として定着するためにもこれらは必須です。
ちなみに勉強の過程で知識が定着していくプロセスは次の通りなんですよね。
✕徐々に理解できるようになる
〇最初は伸び悩むけど、ある時から急に理解できるようになる
当然ですが、勉強には根気がいります(汗)
受験生時代の筆者は過去問について、
- 初回の科目授業を終えるまでに「最低10回」
- 本試験までには「20回以上」
繰り返し解いていたことは断言できます。
社労士試験の過去問対策時のおすすめアイテム
おすすめアイテム①:蛍光マーカー
私は消えるマーカーを愛用していました。なぜなら、学習初期の頃は、線を引くべきポイントが分からず、復習するにつれて不必要な箇所にマーカーしていることが分かってくるからです。
おすすめアイテム②:細い付箋
社労士試験は範囲が広いからこそ、効率的に学び、復習するためにも付箋は必須アイテムです。
- 苦手で間違いやすいところ
- 理解しにくくとばすところ
私の場合は、このような箇所によく付箋をつけていました。
おすすめアイテム③:シャーペン
シャーペンは勉強道具で一番よく使うアイテムですよね。だからこそ、個人的に少し上等なものを使用してモチベーションをあげていました。
筆記用具で勉強が捗ったり、モチベーションが湧いてくるなら、愛着がもてそうなものを選びましょう。
おすすめアイテム④:おすすめ過去問
これは必須のアイテムと言えます。
社労士の過去問題集は大手が競い合って質の高い教材が出ているので、大差はないです。
- 過去7年分は掲載されていること
- 左右で問題・回答の形式であること
この2つをクリアしていれば問題ありません。迷う場合は無難に大手予備校のものを選びましょう。
まとめ 社労士試験では過去問対策が最も重要
社労士試験の対策で過去問を学習するメリット
改めて、過去問の学習で目指すべき目標は、
10年分の過去問の「〇」と「×」と「その理由」が明確に言えることです。
それをすることで、本試験・受験勉強で大きなメリットがあり、結果として自分を助けてくれます。
本試験でのメリット
- 択一式の3割は過去問であり、最も再出題される確率が高い
- 10年分の過去問をマスターすることが、選択式対策にもなる
受験勉強の過程でのメリット
- 本試験の出題傾向がわかるので、効率よく学習ができる
- 学習の初期から直前期まで最高の教材になり得る
私は2年間、社労士の受験勉強を行いましたが、総勉強時間の半分は過去問に費やしました。そのおかげで、上記の本試験・受験勉強、それぞれのメリットは最大限に活用できました。
社労士試験の勉強は反復することが大切
最後にもう1点、忘れてはいけない事実は反復学習することの大切さです。
より反復学習を効率的にするために
・過去問にマーカーを引く
・必要に応じて図解など書き込む
・重要な部分は付箋をはっておく
このような下準備に時間を使うことも大いにおすすめです。
そして、2週目からはある程度のペースで過去問を解くことも意識してみましょう。
✕1時間で20問ペース=3時間あっても60問を1週だけ
〇1時間で60問ペース=3時間あれば60問を3周もできる
同じ時間をかけるなら、回数をこなすことを優先するぐらいの気持ちでも良いです。
それだけ、繰り返し学習が効率的ということです。
過去問を反復する機会はこの記事で紹介しただけでも次の通り。
過去問勉強の目的
- まずは初学の予習として
- 出題の傾向をつかむために
- 苦手や分からない単元の抽出のために
- 結果として選択式対策となるために
- 学習中期や模試の時期の復習として
- 本試験の直前の知識の整理として
- 本試験で再出題された時に点数を稼ぐため
ここまで取り組めば、基礎・基本をばっちり固めることができます。
そして、過去問をしっかり学習することで、テキストの内容についても理解が深まります。
くどいですが、大切なのは、「繰り返すこと」・「反復学習をすること」に限ります。
それが最も最短で本試験で”できる”・”解ける”、そして「合格」の境地にいく方法だからです。
それではまたっ(^^)