みなさまごきげんよう。
こんな人のための記事です。
結論として、模試は必ず受けるべきだと思っています。
筆者は社労士試験にはそれなりに期間としても長く、多くの受験生と関わってきました。
社労士試験に携わっていた期間
・社労士試験の勉強を2年
・社労士受験講座の講師歴5年
経験から言えるのは、模試は社労士試験の道のりにおいて一つの分岐になっているという事実です。
実際に模試を受けた人からの感想としては、
- 受けたことで自信をなくした
- 受けたけど有効に活用できていない
などのネガティブな内容が多いです。
模試を受験することは、メンタル面やモチベーションに影響するんですよね。
でもそれは、模試を受ける意義と目的を理解していないから。
社労士試験の模試の受験をおすすめする5つの理由
理由①:アウトプットで苦手が明確になるから
受験勉強の本質は、目標と現実のギャップを埋めることにあります。
A、予想される合格基準の学力
から
B、現在の自分の実力と立ち位置
このAとBの差を埋めることが勉強することの本質です。
そしてこの差を具体的に明確にすることが模試を受験する目的であり手段です。
例えば、似ている用語を勘違いしていることがあるかも知れません。
間違いやすい例
- 労使協定 ⇔ 労働協約
- 厚生労働大臣 ⇔ 都道府県労働局長
- 10日以内 ⇔ 翌月10日まで
若しくは、根本から制度の仕組みを勘違いしていることに気づくかも知れません。
模試で本試験さながらの緊張感で初めての問題を解くことで、
-
✅やはり自分が苦手なところ
✅似ていて混ざってしまうところ
✅引っ掛かり間違いやすいところ
これらの自分のクセや傾向を認識することができます。
それはすなわち、本試験までに何を学習すべきか明確になることを意味します。
理由②:模試で客観的な順位が分かるから
模試を受けることで、受験者の中でのあらゆる数値が明確に、そして丸裸になります。
丸裸にされること
- 総得点の順位
- 受験者の平均点
- 問題ごとの正答率
社労士試験の合否はぶっちゃけ2つの要因から相対評価の側面があります。
-
要因1:予め合格点が明確になっていない
要因2:最低基準点があるのに救済制度がある
だからこそ社労士試験では、
ポイント
-
① できるだけ成績上位でいること
② 正答率の高い問題は落とさないこと
この2つが極めて重要になってきます。
模試を受験することでこれらを明確にすることができます。
理由③:模試の復習はより定着しやすいから
模試を受けた時に一番大切なのは“復習すること”です。当然に復習なしでは定着せず、合格に近づきませんからね。
でも、いざ模試を受けると誰もがこんな感情を抱きます。
模試は個人差はあっても、誰もが心理的なダメージを受けるもの。だからこそ、復習することで記憶に残りやすく普段以上に定着しやすくなります。
模試の復習については知識を定着させるための3ステップがあります。
模試復習の3ステップ
ステップ1:なぜ間違ったのか論点を明確にする
ステップ2:問題解説も参考にして正確に理解をする
ステップ3:本試験までに数回は反復学習をして復習する
理由④:本試験で似た問題が出題されると有利だから
予備校の模試は質が高いので、受験する人も多いです。
模試で出題される問題の特徴3選
①絶対におさえておくべき基本問題
②間違いやすいところを論点にした問題
③本試験でも出題されることを狙った問題
各予備校が競争して「意味のある模試」を目指しているのでクオリティーは高いです。
また本試験の選択式で模試に似た出題されると正解率が上がります。だからこそ、最低1回は受験しておきたいですね。
注意点としては、どれだけ模試の問題がよくても、
-
✅必要以上にたくさん受ける必要はない
✅模試の問題を丸暗記しても意味がない
受験勉強において最終的にはインプットが大切になります。
似た問題を経験して、全体の傾向をつかむことを目的に模試を受験しましょう。
理由⑤:本試験のペース配分に慣れることができるから
社労士試験は午前と午後に分かれた長丁場の国家試験です。
【午前】選択式:80分
【午後】択一式:210分
それぞれ必要な集中力が違いますが、時間感覚には慣れるおくと本試験では有利になります。
また、模試を受けると試験科目の内容以外の気づきがたくさんあるはずです。
模試での気づき①
✅問題を解くペースはこれで適切なのか
✅どの科目から問題を解くとリズムが良いか
✅試験時間が長いけど、自分の集中力は大丈夫か
これらの模試で得たことは本試験を想定して必ず対策するようにしましょう。
更に環境面や「前日と当日」の過ごし方についても本番さながらにシミュレーションすることも大切です。
模試での気づき②
✅前日は何時に寝るのがよいか
✅朝食は何をどれぐらい食べるか
✅トイレの頻度はどの程度なのか
✅会場の冷房が効き過ぎていないか
✅必要な持ち物や昼休みの過ごし方
試験問題以外のことで気が散って実力を発揮できないことほど、勿体ないことはありません。
社労士試験の模試の具体的な活用方法
活用方法①:模試を受ける回数
模試を受けるべき回数は1回~2回がよいでしょう。なぜなら、模試には時間をたくさん使うからです。
模試の受験で使うべき時間
1、模試を受験する時間
2、間違った問題を理解する時間
3、反復して知識を定着させる時間
この3点セットで模試の意味が増してきます。
社労士試験の基本は正確な知識をインプットすることです。だからこそ模試の受験は現実的に復習をできる範囲に留めておきましょう。
活用方法②:模試を受ける時期
模試を受ける時期に迷う場合は目安として、下記がよいでしょう。
【1回目】5月末から6月中旬
【2回目】7月に入ってから
全科目を一通り学習して、本試験に向けた対策を始める時期からの受験をおすすめします。
理由としては、一通り科目を終えた後の模試受験後の方が色んな感情があるからです。
知識が固まっていない時期だと、このような感情が出てきません。
多少は気持ちが沈んだとしても、このような感情は大きな原動力になります。復習の効果も大きくなるので、受験する時期は一通りの学習を終えたタイミングが良いですね。
活用方法③:模試の復習ポイント
模試を受けると問題の解説集も配布されます。基本的には過去問と同じように、“問題の論点”を解説を読みながら確認していきます。
ここで心掛けたいポイントが2つあります。
模試の復習ポイント
1、受験後は素早く復習すること(3日以内が理想)
2、本試験まで数回は復習すること(3回以上が理想)
特に、問題を覚えている期間内での復習は効果が絶大なので、必ず実践しましょう。
更に受験後は2週間程度で各問題の正答率などデータが送付させてきます。
社労士試験の勉強で心掛けたいのは下記、〇の部分です。
〇皆が落とさない問題は自分もしっかり正解すること
✕皆が落とす問題を自分だけは正解すること
まとめ:合格に近づくので模試の受験はおすすめです
社労士試験は範囲が広いので、苦手は誰にでもあります。
でも2つの理由から極端に苦手はなくす必要があるんですね。
1、各科目に合格基準点が設けられているから
2、横断的に関連している単元も多いから
特に合格基準点は、1科目でも苦手科目があって基準点を下回ると合格できないことを意味します。
改めて模試を受験することの目的は忘れないようにしましょう。
模試を受験する目的
✅点数より内容と課題を把握すること
✅極端な苦手な科目や単元の洗い出すこと
もう一つ気を付けるべきは、模試の点数が悪くて逆にやる気を失ってしまうことです。
筆者は社労士試験に約7年間携わってきましたが、模試を受けたことで悪い方向にメンタルやモチベーションに影響が出る人が必ずいました。
最後に、筆者自身も受験生時代に模試を受けて40点を超えたことはありませんでした。
それでも模試で「アウトプット」してから復習して「インプット」することで大きく成長することができました。
ポイント
アウトプット:受験して現在の実力を知る。課題を見つける。
インプット:復習して課題を克服し、合格までのギャップを埋める。
模試はあくまでも予行演習。「今の実力を知るため」という目的を忘れず、現状把握とそれを有効に活用して受験対策することが大切ですね。
それではまたっ(^^♪