みなさまごきげんよう!
こんな人のための記事です。
このテーマの私のスペックは次の通りです。
スペック
- 第45回(平成25年度)社労士試験に合格している
- 約5年の社労士受験講座の講師経験がある
- 総務人事の実務を一通り経験している
私自身のキャリアに大きな影響を与えてくれている”社労士資格”について3つの面から紹介していきます。
社労士ってどんな資格
厚生労働省が所管する国家資格です。
正式名称:社会保険労務士
通称名称:社労士
試験は主に働くことに関連する法律と社会保険の法律が出題されます。
社労士試験で学ぶ法律(科目)は主に3つに分類されます。
①労働科目
労働基準法【略称:労基】
働く上での最低限度のルールや法律、また労使トラブルの裁判例など
労働安全衛生法【略称:安衛】
労働災害防止の為の最低基準や各種制度、対策についての法律など
労働者災害補償保険法【略称:労災】
働いている時や通勤時に起きた病気・ケガ・障害・死亡の保険給付など
雇用保険用法【略称:雇用】
失業手当(基本手当)や育児休業・介護休業の給付金、高年齢者の雇用継続時の給付など
労働保険徴収法【略称:徴収法】
労働者災害補償保険、雇用保険用の保険徴収に関する法律
②社会保険科目
健康保険法【略称:健保】
私傷病で病気やケガをした時の医療費等や会社を休んだ時の傷病手当金など
国民年金法【略称:国年】
全国民が加入する基礎年金の仕組みと老齢・障害・遺族・死亡などに関する基礎年金の給付について
厚生年金保険法【略称:厚年】
会社員や公務員が国民年金の上乗せとして加入する年金について
③一般常識
労務管理その他の労働に関する一般常識【略称:労一】
労務管理に関する法律として最低賃金法や労働者派遣法、また労働経済の内容など
社会保険に関する一般常識【略称:社一】
国民健康保険や介護保険、また公的年金の上乗せ部分に当たる「確定拠出年金」など
このように、学ぶべき範囲が広いことが特徴です。
社労士試験の概要・出題形式と難易度
社労士試験の日程
社労士試験は毎年8月の第4日曜日に実施されます。
午前と午後に分かれて実施され、午前は選択式、午後は択一式の試験が行われます。
社労士試験の受験資格
社労士は法律を扱う資格であり、社会的な意義のある仕事とされているため、誰でも受験できる試験とはされていません。
社労士試験を受験するには、次の3つの内いずれかが必要になっています。
1、学歴による受験資格
☞大学や短期大学などの卒業 法学部などは要件とされていない
2、実務経験を積む
☞3年以上の社労士又は弁護士の補助者や法人の労務担当の経験など
3、厚生労働省が認めた国家資格を保有
☞司法書士や中小企業診断士など約80種類
社労士試験の出題形式
社労士試験で出題される形式は2つあります。
メモ
- 択一式試験(70点満点)
- 選択式試験(40点満点)
どちらもマークシート形式の試験になっています。
合格基準点は次の通り。
直近5年の合格基準点
2022年:択一式:27点 選択式:44点
2021年:択一式:45点 選択式:24点
2020年:択一式:44点 選択式:25点
2019年:択一式:44点 選択式:26点
2018年:択一式:44点 選択式:23点
※科目毎の最低基準点も設けられています。
社労士試験は午前・午後で分かれて実施され、それぞれで合格基準点をクリアする必要があります。
択一式試験
- 5肢択一式の問題が全部で70問
- 5つの中から、正しいもの・間違っているものを選ぶ形式
- 合格基準は年によって60%~70%の間で推移
- 試験時間は210分の長丁場
選択式試験
- 穴埋め式の問題が全部で40問(8科目それぞれ5問ずつ欄)
- 合格基準は年によって60%前後
- 8科目それぞれ5問中で3問の正解が必要だが、救済が入る場合もあり
- 試験時間は80分
ある程度の基礎知識が付けばそれぞれの試験対策は存在します。
でもまずは、小手先のテクニックより、正確に理解・暗記することが大切です。
社労士試験の難易度
客観的事実となる直近の合格率は次の通りです。
直近5年の合格率
2022年:5.3%(受験者:40,633人 合格者:2,134人)
2021年:7.9%(受験者:37,306人 合格者:2,937人)
2020年:6.4%(受験者:34,845人 合格者:2,237人)
2019年:6.6%(受験者:38,428人 合格者:2,525人)
2018年:6.3%(受験者:38,427人 合格者:2,413人)
合格率は常に10%以下で年によって2.4%などの時もありました。
但し、まぐれで受かる!
というのは聞いたことがないし、現実的ではありません。
事実として、社労士試験のために人生で一番勉強したという人も多いのが事実です。勿論、私もその一人です。
どれぐらい勉強したか
私自身は2回目の試験で合格できました。
社労士の勉強自体も約2年間行ったということになります。
【1年目】
- 1年目は新卒年の秋~冬の期間でお試し感覚として入門講座に参加
- 本格的な受験勉強は年が明けて2月ぐらいから開始
- 1回目の試験までは初学者で楽しみながら走りきる
1年目の試験結果は択一式で不合格(確か40点だった)。そして、試験受験後、3か月程度は全く何もしていません。
【2年目】
- 1回目は不合格となり、12月ぐらいから再度勉強を開始
- そこから2回目の試験日までは講座の仲間と走りきる
- 受験経験者や初学者の方と切磋琢磨し、教えることで知識が定着
2年目で無事合格できました。
振り返ると、本格的に勉強していた期間はそれなりに時間も費やしました。
- 平日=2時間~3時間ぐらいカフェで勉強
- 土日=自習室で集中していたのは6時間ぐらい
- 隙間時間=電車の中(往復で2時間ぐらい)
大きかったのは自宅と職場の往復時間。
通勤に片道1時間半だったので、スキマ時間を最大限活用しました。
結果として、2年間の合計で1,500時間~2,000時間ぐらいは勉強したと思います。
それでも合間にリフレッシュ時間は作っていましたが。
社労士の働き方と気になる年収について
社労士の働き方
社労士の主な勤務形態としては2パターンあります。
①開業社労士
②勤務社労士
独立開業するか、会社に勤めるかという違いです。
また、勤務社労士にも主に2種類あると言えます。
①社労士事務所で勤務
②一般企業の管理部門(人事部)で勤務
そして、社労士は仕事内容も多岐に渡ります。
【事務業務】給与計算、労働保険・社会保険の手続き
【労務相談】労務管理に関する法律の運用、パワハラやセクハラの対応・相談
【組織改革】研修の企画立案、コンサルティング(開業社労士)
どの分野の仕事をするかは働き方や勤め先などによって変わってきます。
逆に言えば、特定の業種に勤めていた経験を活かしたり、専門性を磨くことで活躍の幅が大きく広がります。
社労士の年収について
開業社労士
開業社労士は個人の実力や仕事の分野など本人の目指すところによって大きく変わってきます。年収1,000万円を超えている事業主も少なくありません。
勤務社労士
勤務社労士は働く会社や組織によって変わるのが実情です。
ちなみに厚生労働省の令和元年賃金構造基本統計調査では、下記になっています。
平均年収
男性:484万7,500円
女性:416万2,700円
日本全体の平均年収よりは高い水準となっていますね。
とは言っても、やはり
・社労士事務所で勤務するか
・一般企業の管理部門で勤務するか
またその中でもどの法人に属するかで大幅に変わってくるので、平均が必ずしも参考になるとは限りません。
筆者の年収
参考にまで筆者の年収ですが、約650万円です。
約40,000万人規模の会社で勤務社労士として登録しています。
まとめ
「働く」「暮らし」などの身近な法律の専門家として活躍できる社労士。
興味がある分野でキャリアアップできて、仕事にできるなら、それは幸せなことですよね。
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それでは、また(^^)